取締役社長挨拶 「浮体式洋上風力が生む新たな地域価値」 2025年4月、国内2例目となる浮体式洋上風力発電システムの商用運転を開始 洋上風力には、風車を海底に固定する「着床式」と、洋上に浮かべる「浮体式」があります。当社は北九州市沖合約15キロの海域に、発電容量3メガワットの浮体式風車1基を設置しました。発電した電力は、九州電力送配電(福岡市)に20年間売電します。 この商用運転で得たノウハウを生かし、近傍海域で発電容量30メガワット規模の新たな建設を計画しており、2029年度の発電開始を目指しています。さらに東北地方など沖合4カ所で、2030年度までに計120メガワット規模の発電所整備を構想しています。漁業者や地域住民、自治体と協調し、地域創生につながる付加価値のある開発を進めていきます。 地域のための開発 再生可能エネルギーの強みは、地域資源を活用し、新たな価値を地域にもたらせる点にあります。例えば、浮体を海底に係留するチェーンには藻場が形成され、新たな生態系が生まれることが分かっており、漁業振興につながります。加えて、風車のメンテナンスに携わる人材の雇用も創出されます。 将来的には、再生可能エネルギーを活用した水産物養殖や、人工知能(AI)の普及で需要が高まるデータセンターの誘致などを進め、多角的な産業振興を図ります。 「コンクリート製浮体」の研究開発 現在、浮体の多くは鋼製ですが、コンクリートは調達性に優れ、コスト削減も期待できます。当社は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助金を活用し、準大手ゼネコンや橋梁設計企業、複数の大学と連携して研究を進めています。 浮体式のポテンシャル 深い海域が多い日本では、浮体式洋上風力は脱炭素社会実現の切り札とされています。排他的経済水域(EEZ)を含めると、国内電力需要の約5倍に相当する約2千ギガワットの潜在容量があると推計されています。国も2040年までに、約900万世帯分に相当する15ギガワットを事業として成立する水準まで育成する方針です。海洋産業人材と高度なものづくり技術を持つ広島の力を生かし、エネルギーの安定供給に貢献していきます。 株式会社グローカル 取締役社長 奥原 誠次郎